1〜3 |
シーン1、3、4の直前には英語字幕が表示される。
「San Pedro, Callfornia - last night」
「New York City - 6 weeks ago」
「San Pedro, Callfornia - present day」
これは何も疑うことなく真実ととらえてよいだろう。これを信じなければ、この映画、何を信じればよいというのか?
その証拠に、シーン4でレイビンがヴァーバルが検事に話した内容(シーン3)について「裏は取った」と言っている。
ちなみに、シーン1でソゼを演じているのはヴァーバル役のスペイシーである。またシーン3から4に移るときは、キートンのアップから、いきなり港にある焼け焦げた死体の絵に切り替わるが、実はこの死体はキートンなのである。
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4 |
いよいよレイビンの部屋において、クイヤンの尋問が始まるわけであるが、部屋に通された直後のヴァーバルは、早くも部屋の隅々を見回している(ネタを探っている)。そして掲示板から、第1の嘘「イリノイ州で歌のカルテットを組んでいた時、バリトンのデブ男がひどいストレス症で…」と、第2の嘘「グァテマラのコーヒー園で働いていて…」が飛び出す。また、次のヴァーバルの回想シーンに移る際に、クイヤン側からコーヒーを飲んでいるヴァーバルを見下ろした絵から切り替わるが、このときヴァーバルはしっかりとクイヤンのコーヒーカップの底を見つめている。底に書かれていた文字は、製造メーカーの名前「コバヤシ陶器」である。
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5 |
面通しの後、5人が釈放されてタクシーサービス襲撃事件を起こす。汚職警官が逮捕されるという話しが出て、裏も取ることが可能なことから、この事件自体は真実であろう。ただし、ロスの取引相手レッドフットの名前が出るが、これは掲示板から引用した嘘である。
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6 |
ヴァーバルがなかなか証言しないのでクイヤンがヴァーバルの体を突くが、このときヴァーバルは左手でクイヤンの手を振り払う。咄嗟の事でクイヤンも全く気づいていないが、左半身が不随というヴァーバルにはあり得ない行為である。その後、渋々と港の事件を仕組んだのはコバヤシという弁護士だと漏らす。
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7 |
レッドフットとの取引と、宝石屋襲撃事件のシーンであるが、この話しを真実だと証明できる要素は特にない。ちなみに、レッドフットとの取引現場は、「韓国友好の鐘(Korean Bell of Friendship)」という公園で、サンペドロの海を見下ろす小高い丘にある。
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8 |
コバッシュの証言により、事件が起きた船にコカイン(麻薬)は積んでいなかったことが明らかになる。 |
9 |
コバヤシが、5人に9100万ドルのコカイン取引現場を襲撃するよう伝える。フェンスターが「カイザー・ソゼの名前を、昔の仲間の誰かから聞いた」という話になり、マクマナスが「ブリックス・マーリンか?」と尋ねる。この名前も掲示板からの引用であり、ブリックスはレッドフットと同じ紙の欄に載っていて、マーリンはカジキ(英語でmarlin)を釣った写真からである。
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11 |
ヴァーバルはシーン9でソゼの名を初めて聞いたはずなのに、このシーンではまるで自分が見てきたかのようにソゼのトルコ時代を語る。 |
13 |
夜の海岸でフェンスターの死体を発見するシーンであるが、この話しも真実だと証明できる要素は特にない。また、このシーンから次のシーン14に移る際にも、クイヤンのコーヒーカップが登場する。今回は、コーヒーカップを真上から回転しながら見下ろすという手法をとっていて、これは、いかにも「このコーヒーカップには何かある!」という伏線を大胆に表している。
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コバヤシのボディーガードを2人殺害する。その後、コバヤシの事務所にて、イーディが外国犯引き渡し処理のためロスに来ているところを目撃する。このことはシーン17、21で真実であることが判明する。この外国犯というのが、アルトゥーロ・マルケスなのである。
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18 |
マルケスが船室でソゼに撃たれる。マルケス自身がその顔を確認しているのだから、これは真実であろう。
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18 20 21 |
ソゼがキートンを撃つ場面を、ヴァーバルがロープの積まれた物陰から見ているがシーン1を真実とするならば、これは嘘である。ただし、この部分の真偽が『ユージュアル・サスペクツ』の最大の争点であるともいえる。確かにヴァーバルが、第三者の目としてキートンが撃たれたところを見たというのは嘘であるが、クイヤンに向かって「確かに俺は、キートンが銃で撃たれるところを見たんだ!」と言ったことに、偽りはない。撃ったのは自分なんだから…。
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22 |
ヴァーバルが警察署を出たところで体の不自由を解く。すなわち、ヴァーバルが身障者というのは嘘である。また、ヴァーバル(=ソゼ)を迎えにきた車の運転手は、ヴァーバルが語っていたコバヤシと同じ男であったが、名前も正体も定かではない。しかし、劇中一貫してピート・ポスルスウェイトが演じてきた男は、ソゼの片腕として働いてたというのは間違いない。
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