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どんでん返し映画

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猿の惑星

『猿の惑星』 PLANET OF THE APES

1967年アメリカ
監督:フランクリン・J・シャフナー
出演:チャールトン・ヘストン、ロディ・マクドウォール、キム・ハンター
映画史に燦然と輝く、あまりにも有名な大どんでん返し、衝撃のラストシーンの名作。 未知なる惑星に不時着した宇宙飛行士たちが見たのは、猿が文明を持ち、 人間が動物のように扱われるという恐るべき逆転社会だった! その奇抜なアイディアと物語だけでもおもしろいのに、最後の最後に、 朽ち果てた自由の女神が登場し、実は「猿の惑星は地球だった」 ということがラストシーンの1ショットだけで判明する。

スティング

『スティング』 THE STING

1973年アメリカ
監督:ジョージ・ロイ・ヒル
出演:ポール・ニューマン、ロバート・レッドフォード、ロバート・ショー
アカデミー作品賞を受賞した「だまされる」名作。 1930年代のシカゴを舞台に、マフィアのボスに復讐しようとする詐欺師一味の痛快な物語。 「大どんでん返しの名作」といわれているが、ひっくり返されるのは、 最後のボスをハメるシーンだけなので、それほどスゴイ作品だとは感じなかった。 もっとも「死んだと見せかけて、実は芝居だった」というパターンは、 今となっては当たり前のようだが、この作品が公開された頃は、かなり衝撃だったのだろう。

クライング・ゲーム

『クライング・ゲーム』 THE CRYING GAME

1992年イギリス
監督:ニール・ジョーダン
出演:スティーブン・レイ、ジェイ・デビッドソン、ミランダ・リチャードソン
アイルランド紛争のさなか、戦場で知り合った黒人兵士の遺言に従い、 彼のガールフレンドに会うことになったIRA兵士の物語。 二人は次第に愛し合う関係になっていくが、 「その彼女が、実は男だった」という衝撃的な結末が待ち受ける。 『ユージュアル・サスペクツ』と同じように、大どんでん返しを引き起こす人物が アカデミー賞にノミネートされたが、その「秘密」を守るため、候補者の顔さえも公表されなかった。

ショーシャンクの空に

『ショーシャンクの空に』 THE SHAWSHANK REDEMPTION

1994年アメリカ
監督:フランク・ダラボン
出演:ティム・ロビンス、モーガン・フリーマン、ウィリアム・サドラー
日本で人気映画ランキングをやると、必ずといっていいほどベスト5には入ってくるみんなが大好きな映画。 しかし、大どんでん返しの映画としてはちょっと異色な存在ではないかと思う。 刑務所映画といえば「脱走」というキーワードが付き物だが、 この映画は全くそんな気配を感じさせない。 囚人たちの友情や、どんな環境でもくじけない精神といったような物語を全面に押し出しているので、 観客としては「ああ、これは脱走なんてくだらないことは考えない、 美しいヒューマンドラマなんだな....」と感じてくる。 このジワリジワリと身にしみてくるドラマタッチが、まさかどんでん返しの伏線だったとは。 そして最後の、主人公が自殺?!という究極の思わせぶりからの大逆転は、本当にやられた〜!と思った。 ピュアな気持ちを踏みにじられたはずなのに、何故かすがすがしい余韻が残る。 「すがすがしい大どんでん返し」これが万人に受け入れられる秘訣なのだろう。

真実の行方

『真実の行方』 PRIMAL FEAR

1996年アメリカ
監督:グレゴリー・ホブリット
出演:リチャード・ギア、エドワード・ノートン、フランシス・マクドーマンド
とある殺人事件が発生し、その容疑者として一人の善良そうな青年が逮捕される。 しかし彼には、二重人格という精神障害があり、事件を起こしたのはもう片方の凶暴な人格の方だというのだ。 この作品は『ユージュアル・サスペクツ』とかなりの共通点がある。 障害者を装った確信犯の罪逃れ工作というストーリーで、容疑者のシナリオ通りに全てことが進んでいくが、 最後の最後にボロが出て、容疑者の正体が判明する。 この手の作品の成功のカギは、劇中の登場人物のみならず、観客をも騙すという演技力を持った俳優にかかっている。 ケヴィン・スペイシーのアカデミー助演男優賞の翌年、この容疑者役のエドワード・ノートンも 助演男優賞候補になった(惜しくも受賞は逃す)。 その後、『スコア』という作品でも、彼は同じような役をこなしている。 一度、ケヴィンvsノートンという騙しあい対決の映画を観てみたいものだ!

ゲーム

『ゲーム』 THE GAME

1997年アメリカ
監督:デビッド・フィンチャー
出演:マイケル・ダグラス、ショーン・ペン、デボラ・アンガー
とある資産家が、誕生日のプレゼントとして、 弟から「今まで体験したことのないサービスを受けられる」という会社の会員権を贈られる。 しかしその直後から、身に覚えのない不可解な事件に次々と巻き込まれていってしまう....。 全く先の読めない展開が続いていくが、あんなどんでん返しが待っているのならば、読めないのも当然だ。 「今までの出来事は、全てバースデーパーティのための余興でした (お芝居でした)」なんて言われちゃあ! しかし、こんな終わり方は、かつて日本のTV番組にもなかっただろうか? そう、この作品はまるっきり「ドッキリカメラ」なのだ!

シックス・センス

『シックス・センス』 THE SIXTH SENSE

1999年アメリカ
監督:M・ナイト・シャマラン
出演:ブルース・ウィリス、ハーレイ・ジョエル・オスメント、トニ・コレット
死んだ人間を見ることができるようになってしまった少年と、 彼をカウンセリングするためにやってきた精神科医の物語。 と、あらすじを語る時点で、よく考えれば、 どんでん返しの伏線を示しているような気もする。 結末を知った後、『ユージュアル・サスペクツ』を観たときのように最初からストーリーを思い返してみると、 どんでん返しの完成度としては『ユージュアル・サスペクツ』には遙かに及ばないと思う。 なぜなら、観客に見えていないストーリーの中では、明らかに矛盾が生じているからだ。 最後のシーンで精神科医は「自分が死んでいることを悟る」のだが、 それまでは本当に自分が死んでいることに気づかなかったのか? 食事を取ることも、他人と会話することも一度もなかったのだろうか? つまり、そういった部分は観客に気づかれないためにワザと伏せてあるとしか思えない。 また、冒頭で「この作品の秘密は他言しないでください」とアナウンスしてしまうこと自体、 秘密の軽さを証明しているといえるだろう。

ライフ・オブ・デビッド・ゲイル

『ライフ・オブ・デビッド・ゲイル』 THE LIFE OF DAVID GALE

2003年アメリカ
監督:アラン・パーカー
出演:ケヴィン・スペイシー、ケイト・ウィンスレット、ローラ・リニー
死刑制度廃止運動を行っている大学教授デビッド・ゲイルが、 同僚の女性をレイプ、殺害したとして逮捕され、死刑の判決が下りる。 死刑執行直前、とある雑誌の女性記者が彼の最後の3日間にインタビューを行うことになった。 面会を繰り返すうち、彼女は次第に彼が無実なのではないかと確信を持つようになる。 ケヴィン・スペイシーが真犯人でありながら逮捕される役を演じる作品に 『ユージュアル・サスペクツ』と『セブン』があるが、この映画はその二つを融合したような作品。 『セブン』を彷彿とさせる社会的メッセージを込めた恐るべき計画が待ち受けるラストに向かって、 展開していく物語の形式は『ユージュアル・サスペクツ』そのもの。 どんでん返しとなるラストも、カイザー・ソゼの似顔絵FAXが届くシーンと同じやり方だ。 映画はこのシーンで終わるが、その後のストーリーを予想すると、 結局は警察や社会にバレることになり、矛盾を感じてしまう。 つまり、観客への種明かしのために必要だったシーンということだ。 また、これら三つの映画に共通していえるのは、最後にケヴィン・スペイシーが消え去ることが、 最も重要な意味を持っていたということである。

ソウ SAW

『ソウ SAW』 SAW

2004年アメリカ
監督:ジェームズ・ワン
出演:リー・ワネル、ケーリー・エルウェス、トビン・ベル
「ソリッド・シチュエーション・ムービー」というジャンルを確立し、 この後次々とシリーズ化されていく「痛すぎる」大ヒットスリラー。 ジグソウという正体不明で、全てを影で操る人物がカイザー・ソゼを髣髴とさせる。 大どんでん返しのカラクリとしては「生か?死か?」の二択パターンで、 これは『シックス・センス』の逆だ。 シリーズを重ねても、1作目の質を維持しつつ、 新たなどんでん返しを用意しようと試行錯誤する製作側の姿勢はスゴイ。